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Shopify Editions 秋'26まとめ|日本のショップが押さえたい新機能をやさしく解説

Shopifyが2026年10月に、半年に一度の大型アップデート発表「Shopify Editions 秋 '26」を公開しました。テーマは「Exponential(飛躍的な成長)」で、アップデートは150件以上あります。量が多く、日本では使えない機能や、まだ「まもなく提供」の段階の機能も混ざっているため、全部を追う必要はありません。

この記事では、日本でShopifyのショップを運営している方に向けて、押さえておきたい新機能を5つの分野に分けて、なるべくやさしく解説します。「今すぐ見ておくこと」と「提供を待てばいいこと」も分けて整理しました。

結論:今回のキーワードは「AIで売る」「AIに任せる」

今回の発表をひと言でいうと、ChatGPTやGoogleのAIなどから商品が買われる時代に向けた準備と、ショップ運営をAIアシスタント(Sidekick)に任せられる範囲の拡大です。あわせて、決済画面の使いやすさ、不正注文の対策、管理画面の見やすさも改善されます。

日本のショップがまず見ておきたいのは、次の5つです。

  1. AIに渡す店舗情報(返品ポリシーやFAQ)を確認できるようになる
  2. Sidekickが「複数の変更をまとめて実行」できるようになる
  3. 決済画面に入力欄を追加できるようになる(まもなく)
  4. 管理画面の刷新と、変更履歴の一覧(まもなく)
  5. パスキーでのログイン

そもそも「Shopify Editions」とは?

Shopify Editionsは、Shopifyが新機能をまとめて発表する場です。ふだんの細かな更新は毎週のように出ていますが、Editionsではその時期の大きな方向性と主な新機能が一度に紹介されます。

注意したいのは、発表された機能がすべてすぐに使えるわけではないことです。公式ページでも「まもなく」「近日公開予定」「早期アクセス」と書かれた機能が多く、特定の国やプランに限られた機能もあります。自分のショップで使えるかどうかは、管理画面や公式ヘルプで確認してから判断しましょう。

ひと目でわかる:日本のショップに関係しそうな主な更新

分野

主な更新

公式ページでの提供状況

AIでの販売

ChatGPTやClaudeなどのAIで商品を探して、Shop Payで買えるしくみ/AIに渡す店舗情報の確認・承認/割引前の価格をAIに渡す

記載なし(日本で使えるかは要確認)

Sidekick

複数の変更をまとめて準備・実行/改善案のテスト/チェックアウトのカスタマイズ支援

記載なし

決済画面

入力欄の追加/決済方法のタイル表示/QRコードでのApple Pay

まもなく

不正対策

Shopify Protect(注文前の不正ブロック、チャージバックの異議申し立て支援)

まもなく(日本で使えるかは要確認)

管理画面

管理画面の刷新/変更履歴の一覧

まもなく

管理画面

パスキーでのログイン/ポリシーの自動作成

記載なし

商品・配送

バリエーション編集画面の刷新/1バリエーションにバーコード最大20個/バリエーションごとの梱包サイズ

記載なし

※提供状況は、公式ページ「Shopify Editions 秋 '26」の表記をもとにしています(2026年10月30日確認)。

1. AIで「売る」ための準備

今回いちばん大きな柱が、AIエージェント(買い物を代わりにしてくれるAI)への対応です。

  • AIからの購入:ChatGPTやClaudeなどのAIで、Shopifyのショップの商品を探し、おすすめを受け、Shop Payで決済できるしくみが発表されました。GoogleのAI検索やGeminiアプリで、Shopifyのチェックアウトを使って販売するしくみも紹介されています。
  • AIに渡す店舗情報を確認できる:返品ポリシーやFAQなど、AIに共有される店舗の情報を、ショップ側で確認・承認できるようになります。内容を良くするための提案も表示されます。
  • セール価格がAIにも伝わる:Shopify Catalogを通じて割引前の価格(比較価格)がAIに渡され、AI上でも「値下げ中」であることが表示されるようになります。

日本のショップへの影響:公式ページには、日本でどこまで使えるかは書かれていません。ただ、どのAIで売るかにかかわらず、AIは商品ページやポリシーに書かれた情報をもとに答えます。送料、返品の条件、商品の仕様が曖昧なままだと、AIが正しく説明できません。日本でAIからの購入が広がる前でも、ポリシーとFAQ、商品情報を整えておくことは今すぐできます。

2. Sidekickが「任せられる」アシスタントに

Sidekickは、Shopifyの管理画面に入っているAIアシスタントです。今回の更新で、できることが大きく広がりました。

  • 複数の変更をまとめて実行:計画を一度承認すれば、たとえばコレクション内の全商品の説明文を書き換える、といった複数の変更をまとめて適用できます。
  • 複雑な作業にも対応:計算やコードの作成、Web検索ができ、一度伝えた内容を覚えておけるようになります。
  • 改善案をテストしてから選べる:SimGymで検証した改善案の中から、反映するものを選べます。
  • そのほか:下書き注文の作成、決済やチャージバックについての質問への回答、チェックアウトのカスタマイズの手伝いなど。

使うときの注意:まとめて変更できるのは便利な反面、間違いもまとめて反映されます。商品説明の一括変更などは、まず数件で試してから全体に広げるのが安全です。後述の「変更履歴の一覧」とあわせて使うと、何が変わったかを追いやすくなります。

3. 決済画面と不正対策

購入の最後のステップである決済画面(チェックアウト)にも、使いやすくなる変更が「まもなく」入ります。

  • 入力欄の追加:チェックアウトとアカウントの編集画面で、テキスト入力、日付の選択、チェックボックス、選択肢を追加できるようになります。配送時の要望などを受け付ける場面を想定したものです。
  • 決済方法のタイル表示:決済方法の選択が、ラジオボタンからタイル型の表示に変わります。
  • QRコードでのApple Pay:ChromeやEdge、Firefoxなど、Safari以外のブラウザでも、iPhoneでQRコードを読み取ってApple Payで支払えるようになります。
  • Shopify Protect:不正な注文を注文が作られる前に止め、チャージバック(カード会社を通じた支払いの取り消し)の異議申し立てをAIで支援する機能です。独自の不正判定ルールも設定できます。Shop Pay以外の注文にもチャージバック保護を広げる予定とされています。

日本のショップへの影響:入力欄の追加は、これまでアプリやカスタマイズで対応していた「配送の希望」「ギフトの要望」などを、標準の機能で受け付けられる可能性があります。今アプリで入力欄を追加しているショップは、提供が始まったら置き換えられるか確認するとよいでしょう。Shopify Protectが日本で使えるかは、公式ページからは判断できないため、提供が始まった時点で管理画面とヘルプを確認してください。

決済画面については、10月にフッターの規約リンクが1つにまとまる変更もありました(決済画面の規約リンクの解説)。

4. 管理画面と日々の運用

  • 管理画面の刷新:メニューやレイアウトが整理され、Sidekickを呼び出しやすくなります。「まもなくすべてのページで順次公開」とされています。
  • 変更履歴の一覧:ショップで行われた変更を、1つの一覧で確認できるようになります。誰が(どのスタッフ・アプリ・サービスが)変えたかもわかり、絞り込みもできます。「近日公開予定」です。
  • パスキーでのログイン:ログイン時にパスキーを設定するか、対象のアカウントには自動で用意されます。パスワードを入力しないので、フィッシングによる乗っ取りを防ぎやすくなります。
  • ポリシーの自動作成:返品、連絡先、配送、利用規約のポリシーを自動で作成し、設定を変えたときにも内容が追従します。
  • Shopify Flowのバージョン管理:自動化の設定(ワークフロー)の過去の版を見比べ、元に戻せるようになります。

日本のショップへの影響:変更履歴の一覧は、スタッフや外部の制作会社、アプリなど、複数の手が入っているショップほど役に立ちます。「いつの間にか設定が変わっていた」ときに原因を追えるからです。ポリシーの自動作成は便利ですが、日本の特定商取引法にもとづく表記は、引き続き自社の内容に合わせて確認・作成する必要があります。自動で作られた文面をそのまま使わず、返品の条件や送料が実際の運用と合っているかを確かめましょう。

パスキーやスタッフアカウントの管理など、ショップ側でできるセキュリティ対策はShopifyのセキュリティ対策の記事でまとめています。

5. 商品・配送・ストアづくりの細かな改善

  • バリエーション編集画面の刷新:商品とバリエーションの情報を1つの画面で編集でき、バリエーションの一括操作もしやすくなります。
  • バーコードを最大20個:1つのバリエーションに最大20個のバーコードを登録でき、形式のチェックも入ります。メーカーのコードと自社のコードなど、1つの商品に複数のコードがある場合の管理に役立ちます。
  • 梱包サイズをバリエーションごとに:バリエーションごとに梱包の寸法と標準の梱包材を設定できます。
  • マーケットごとの配送設定:マーケット(販売地域)の中で、地域や取引先の拠点ごとに配送方法を設定できます。
  • ストアづくり:ストア全体を1画面で編集できる「Canvas」、テーマや価格の変更を予約・テストできる「ロールアウト」、翻訳を自動で最新に保つ「Translate & Adapt」の改善なども発表されました。
  • Shopify Inbox:チャットの中でおすすめ商品を提案し、そのままチェックアウトに進めるようになります。

ロールアウトについては、先に公開された価格の予約機能をニュース解説で取り上げています。

日本では使えない、または対象が限られるもの

公式ページで地域やプランが限られていると書かれている主な機能です。日本のショップは、ひとまず気にしなくて大丈夫です。

  • Shopify Tax(米国の税計算・納付)、HSA・FSA(米国の医療費口座)での支払い
  • Shop Payの分割払い(オーストラリアで早期アクセス)
  • 複数の通貨での入金(オーストラリア、フランス、シンガポール、香港。Advanced・Plusプラン限定)
  • DHL Expressの配送ラベル購入(英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン)
  • EU・英国・カナダ向けの領収書テンプレート、フランスのカード(Cartes Bancaires)への対応

このほか、多くの機能は日本で使えるかどうかが書かれていません。「発表された=自分のショップで使える」とは限らないので、使いたい機能があれば管理画面で表示されるかを確認しましょう。

今やること、待っていいこと

150件以上の発表のうち、今すぐ手を動かす価値があるのは多くありません。Ruskaでは次のように整理しています。

今すぐやること

  • ポリシー・FAQ・商品情報の見直し:AIで買われる時代に向けて、送料・返品・商品仕様を、人が読んでもAIが読んでも誤解のない書き方にしておく
  • パスキーの設定:管理画面のログインにパスキーを使えるなら設定し、スタッフにも案内する
  • スタッフ・アプリの棚卸し:変更履歴の一覧が来る前に、誰がどの権限を持ち、どのアプリが入っているかを整理しておく

提供を待って判断すること

  • 決済画面の入力欄:今アプリで入力欄を追加している場合、標準機能に置き換えられるかを提供開始後に確認する
  • Shopify Protect:日本で使えるか、使える場合は既存の不正対策アプリとどう役割を分けるかを確認する
  • AIエージェントでの販売:日本での提供範囲が明らかになってから、対応するかを判断する

新機能が出るたびにすべてを試す必要はありません。自社の売り方に関係するものだけを選び、担当者で設定できることと、制作会社に任せたほうがよいこと(決済画面のカスタマイズや、アプリからの置き換えなど)を分けて考えると、無理なく取り入れられます。

よくある質問

発表された機能は、いつから使えますか?

機能によって違います。すでに使えるものもあれば、「まもなく」「近日公開予定」「早期アクセス」のものもあります。順次、管理画面に表示されるので、使いたい機能は公式ヘルプや管理画面で確認してください。

Basicなどの小さいプランでも使えますか?

公式ページでプランが限られていると書かれているのは一部(複数の通貨での入金など)です。ただ、書かれていない機能もプランによって違う場合があるため、使う前に管理画面で確認するのが確実です。

AIで買われるようにするには、何か設定が必要ですか?

日本での提供範囲は公式ページに書かれていません。今できる準備は、ポリシーやFAQ、商品情報を正確に書いておくことです。提供が始まったら、AIに共有される店舗情報の確認画面で、内容を確かめましょう。

今使っているアプリは不要になりますか?

決済画面の入力欄や不正対策など、標準機能でできることが増えるため、置き換えられるアプリが出てくる可能性はあります。ただし、機能の細かさや日本の商習慣への対応はアプリのほうが上の場合もあるので、提供が始まってから比べて判断するのがおすすめです。

まとめ

Shopify Editions 秋 '26は、「AIで売る」「AIに任せる」方向への大きな一歩です。ただし多くの機能は「まもなく」の段階で、日本で使えるか明らかでないものもあります。今すぐできるのは、ポリシーや商品情報をAIにも伝わる形に整えること、パスキーを設定すること、スタッフとアプリを棚卸しすることの3つです。そのほかの機能は、提供が始まってから自社に必要かを判断すれば十分です。

株式会社Ruskaは、Shopify Partnersとして、Shopifyの構築・移行から、新機能の取り入れ方のご相談、決済画面のカスタマイズまで対応しています。「この機能は自社で使えるのか」「今のアプリを置き換えるべきか」といったご相談もお気軽にどうぞ。Shopify構築・運用について見る →

出典

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