【解説】布団乾燥機に措置命令
依頼したSNS投稿の自社サイト転載もステマに

消費者庁は2026年10月20日、布団乾燥機「FLEURISTE」(専用アロマカートリッジを含む)を販売する株式会社giobaiに対し、景品表示法に基づく措置命令を出しました。問題とされたのは、自社サイト上の「ダニが死滅する」といった効果の表示と、依頼して書いてもらったInstagram投稿を自社サイトに転載していた点です。前者は優良誤認、後者はステルスマーケティング(ステマ)の告示に当たると判断されました。
何が変わる?
報道や公表内容によると、問題とされた表示は次の2つです。いずれも2024年7月から同年12月にかけて、自社サイトに掲載されていました。
- 効果の表示(優良誤認):「ダニが死滅する50度まで」といった表示やサーモグラフィーの画像で、布団の隅々まで温風が届いてダニが死滅し、アロマの成分でダニを遠ざけられるかのように示していました。消費者庁が根拠資料の提出を求めたところ、提出された資料は合理的な根拠とは認められませんでした。
- SNS投稿の転載(ステマ):商品の無償提供や対価の支払いを条件に第三者へInstagramへの投稿を依頼し、その投稿の一部を抜き出して、自社サイトの「SNSでも大人気」といったお客様の声のコーナーに載せていました。依頼して書かれた投稿であることは示されておらず、事業者の広告だと一般消費者が見分けにくい表示とされました。
命令では、違反の事実を一般消費者に周知すること、再発防止策を講じて役員・従業員に周知すること、今後同様の表示をしないこと、対応の内容を消費者庁に報告することが求められています。
EC事業者への影響
ステマ規制は2023年10月1日から景品表示法の対象になっています。今回のポイントは、インフルエンサーの投稿そのものだけでなく、それを自社サイトに「お客様の声」として転載した表示も問われたことです。投稿の段階で「PR」などの表記があっても、転載するときに依頼した投稿だと分からなくなれば、同じ問題が起こりえます。
- D2C・単品通販:商品ページにSNSの口コミを並べるUGC施策はよく使われています。ギフティングやアンバサダー施策で集めた投稿が混ざっていないか、確認が必要です。
- レビューアプリ・UGCツールを使う店舗:Instagram投稿を自動で取り込むツールでは、依頼投稿とそうでない投稿が区別されずに表示されることがあります。
- 家電・美容・健康関連:「除菌」「ダニ対策」など効果をうたう表示は、根拠資料の提出を求められたときに説明できる試験データが必要です。メーカーの資料をそのまま使う場合も、表示の条件と試験の条件が合っているかを確かめておく必要があります。
今やるべきこと
- 商品ページや特集ページに載せている口コミ・SNS投稿を洗い出し、依頼・無償提供・報酬のあったものを特定する
- 依頼した投稿を転載する場合は、転載先でも「広告」「PR」などと分かる表記を、投稿のすぐ近くに入れる
- インフルエンサーとの依頼内容や、投稿時の表記ルールを文書で残し、担当者が変わっても運用できるようにする
- 効果・性能をうたう表示を一覧にし、それぞれの根拠資料(試験データ、試験条件)がそろっているかを確認する
- UGCの自動取り込みツールを使っている場合は、表示する投稿を選べる設定や、PR表記の付け方を確認する